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Dr. HM

不整脈会の新しいインフルエンサー。EP全般、アブレーション全般に加え、先天性心疾患の不整脈治療など新たなジャンルで活躍。
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過去記事

〜ペースメーカー挿入におけるtips 2〜

 先回に引き続き今回もペースメーカー挿入における当院における手技の工夫を紹介致します。 ペースメーカー挿入時に通常の心電図と同時に当院ではリード先端の単極電位を同時に表示しています。
   
 上図の単極心電図では心室に留置されたリードの先端の電位を表示しています。
さて、この表示しているこの心電図何を表示しているか分かります?実はペースメーカーリードは心室筋穿孔を起こしており、 この心電図はリード先端が心外膜側に位置していることを意味しています。

 
 動脈圧モニター下でバイタルサインに注意しつつ慎重にリードを単純牽引するとST部分が変化し心内膜側に位置している事を意味するST上昇に戻っているのが観察できます。 この単極心電図の観察は、安全性と同時にリードが適切に心筋に接触しているかも分かる為、手技の確実性の向上にも繋がる手法です。
 当科から本年報告しているリード穿孔に対する外科的開胸術を行わない単純牽引の安全性を報告した論文でも (Mori H, et al. Int Heart J 2020; 61: 54-59)、このST低下をリード穿孔の診断根拠として記載しています。 また、リードの再固定手術の際にリード穿孔を単極誘導からのみ疑った症例が単純牽引後に心タンポナーデを発症したものの、 単極誘導から診断していた為に迅速に心嚢穿刺を行う事が出来た症例が含まれています(同論文、Table 2、No1症例)。
 様々な工夫を行う事で、不整脈手技が上級医のみが行う事の出来る特殊な手技ではなく、より多くの循環器医師が安全かつ確実に施行可能な手技となるべく当科では取り組んでいます。

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