sn

Dr. SN

先天性も後天性もフルカバー。
医療の枠を越えた創造力が武器。

過去記事

 トライクリップがCEマーク取得

 2020年4月9日付でAbbott社のTriClip (三尖弁逆流(TR)に対する経カテーテル的edge-to-edge repair)がCE mark (EUにおける安全性能基準を満たしたことを示す表示)を取得しました。
https://cardiovascularnews.com/ce-mark-for-transcatheter-system-that-uses-same-clip-technology-as-mitraclip/
 近年、このようなカテーテルを用いた新規医療技術の臨床への導入はヨーロッパが早いですね。同じ技術を用いた同社のMitraClip(僧帽弁逆流(MR)に対する経カテーテル的edge-to-edge repair)ではCEマーク取得が2008年、FDA認可が2013年(Degenerative MRのみ)、本邦上市は2018年ですので、上陸まで約10年かかっています。今回はどんなスケジュールになるのでしょうか。
 さて、なぜこのようなTRに対するカテーテル治療が必要なのでしょうか。大前提であるTR治療のニーズの根拠が、Lancetに掲載されたピボタル試験であるTRILUMINATE trialのIntroductionに書かれています。TRの疫学、TRの病態(孤発性、左心疾患の二次性、心房細動との関連)、心血管イベントとの関連(potential driver?)、ガイドラインベースの治療法(合併左心疾患の手術適応がない場合は特にcontroversial)、さらには治療法(edge-to-edge repair、annular reduction等)など、かなり読み応えありますのでぜひご一瞥ください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31708188/?from_single_result=TRILUMINATE+lancet/
手技成功率・安全性、6か月後のTR改善、臨床症状・QOL改善に関してはかなり良さそうです。テクニック的には2つ弁を掴むMitraClipから3つの弁を掴むTriClipになればそれだけ難しそうですが、実際は8割がたanterior-septal leafletsを掴んでいるようです。
 ともあれ、我々の施設もMitraClip導入後、パラダイムシフトともいえるMRのカテーテル治療の効果を実感しています。TriClipの今後の動向も見守っていきましょう。

Triclip